ベトナム

児童教育の学習環境整備事業


首都ハノイより北西に車で約5時間のMinhLung(ミンルン)コミューンの小学校低学年のクラス。ミンルンコミューンは今回のプロジェクト実施コミューン6ヶ所の中でも一番貧困度が低い村だが、6コミューンの共通点として、幼稚園から小学校低学年の教育への感心は低く、 教材も揃っていなかった。今回、外務省民間援助支援室より援助を頂き、6コミューンでの教師・父母対象の教育トレーニングと学校教材を提供をすることができた。

教育トレーニング

1)首都ハノイより北西へ4輪駆動車で 約5時間の場所にあるトゥルンソンコミューン。人々の収入源はキャッサバ芋と米である。写真中央にあるのは小学校の分校。45名の教師と父母が参加した 教育トであるレーニングもこの学校で4日間行われた。中央にいるのは理事の佐藤静代氏とウエイン・エルスワーズ氏。

2)教育トレーニング初日。村長のヘン 氏の挨拶から始まる。左からヘン氏、理事長佐藤静代、副理事のウエイン・エルスワーズ、現地通訳兼ファシリテーターのハオ氏である。今までに受ける事が出 来なかった、教育トレーニングというものがどういうものか、教師達も父母達も興味津々である。

3)ICA独自の手法を基本とした教育トレーニングである。パーソナルスタイルやラーニングスタイルなどのワークショップを行った。教師達と父母は自分のラーニングスタイルを発見し、それに 納得したり、いや違うと意見を交したりと、大変に盛り上がっていた。

トレーニング ワークショップ

4)バンソン・コミューンでの教育トレーニング。環境、文化、社会など様々なものが教育に関わってくることを、各テーブルを回って説明する佐藤静代 氏。

5)バンソン、ルクソンコミューン合同の教育トレーニング。参画手法、コミュニケーション手法についてのトレーニン グを行った。必ず、説明した後には、それぞれのテーブルを組分けして話合いの 時間を取る。参加者達は今後の学校や教育、生活の話を交え、意見交換をする。説明を行っているのは、教育専門科のフォング氏。

6)この様な教育に関するトレーニングを受けた事が無かったため、参加者達は真剣に話を聞く。家までスクーターで3 時間かかる参加者もいた。今回のトレーニングは今までにない全く新しいトレー ニングのため参加したかったと、参加者の一人は言っていた。

7)ロールプレイを交えたパーソナルス タイルでは参加者達が迫真の演技で医者役と患者役をこなし、大変な盛り上がり を見せた。パートナーのパーソナルスタイルを理解した上で2通りのロールプレ イをして相手の反応の違いを知る。

8)トゥルンソン・コミューンでの4日間の教育トレーニング後の集合写真。新しいカリキュラムと手法を学び、「教師が訓練を受ける事ができる機会を増やしたい」と、今回の教育トレーニングの感 想を語る参加者達。どの様な形で今回のトレーニングを将来に役に立てるか話し 合った。

終了証書授与

9)教育トレーニングを終了した後に、修了証書を配る。佐藤静代氏、ウエイン・エルスワーズ氏により参加者に配られ た。

教材提供事前調査

10)ルクソン・コミューンの村落開発委員会の方々との会議。学校や村の現状をICAの佐藤と現地調整員ハオに説明している。佐藤氏とウエイン氏の教育トレーニングについても「感謝している。 今後も継続したい。」と言葉を述べていた。

11)幼稚園で教えている先生にインタビューをしている。児童の親からの寄付(年会費)が少ない事や手製の教材などを置く場所がない事を訴えている。教師の月給は約1200円。ベトナムでは法 律で10才以下の子供は通学に1キロ以上歩いてはならないという規定がある。

 

12)先生方が考えたのは手製の教材、不要になった包み紙や段ボール、ティッシュの箱などを切って数字や文字を書き、児童や生徒達に授業を 行っていた。左の教材は20〜25人用となる紙もあまりないため、手製の教材は何度も何度も破れるまで利用される。

13)児童や生徒達の親から学費(教材購入や設備補修)として年間約300円の寄付を依頼しているが、ほとんどの親はその300円も支払 えないという状況で、教材や設備も整わない。

15)ベトナムで一般的な農家の畑。基本的には三毛作である。米を2回、間にトウモロコシなどを作る。

午前5時から親は畑仕事をする。学校へ行かないで子供に畑仕事を手伝って欲しいという親もいる。

学校の中の様子

16)学校の図書室。これが全生徒約200名が利用できる書物である。学年別の教科書が10セットづつで合計約60冊程度。全く足りない状態である(1冊約30円)。

17)幼稚園の児童約30名分の教材。 数を教えるのは上から2段目の空き缶を並べ教え、三段目に見えるフルーツは、 古いプラスチック製のフルーツで、買い物などのロールプレイをしている。絵本 に関しては、村で1冊しかない。

18)ミンルン・コミューンの教材倉庫。 広さは畳で約8畳程度、このコミューンの小学校用の倉庫は他のコミューンと比べて状態が良いが、それでも棚の中に入りきらない地図や国語のポスターは、湿 気により破損しているものが多い。

援助の中心となる 小学校高学年

19)ベトナム政府の援助で建設された小学校。第5学年〜がこの学校で勉強している。

一般的な 幼稚園・小学校

20)ミンルン・コミューンの中心の学校でもこの様な部屋が平均的な一般の教室となる。壁には何も飾られていない。

21)バンソン・コミューンの村には幼稚園の場所がない為、手製の教材などは近くに住んでいる人に頼み、保管してもらっている。この家が幼稚園の教材を保管している近所の家族の家。

22)ここでは教室の数が足りない為、 1つの教室に3学年の生徒が一緒に学んでいる。黒板は3つあり、1人の先生が交互に3学年を教えている。奥から2学年、1学年、3学年となっている。

23)ミンルン・コミューンの幼稚園。砂壁が剥がれ落ち教室の中が丸見えになっている。この向かいには立派なベトナム 政府に建てられた小学校高学年用の建物があり、幼稚園、低学年の教育状況と関 心度の差が見られる。

24)幼稚園の中の様子である。子供達の机とイスは使いまわしているため、サイズが合っていない。子供達の足は土の地面から離れていて、机の高さも肩の位置に近いぐらいである。所々、故障して いる場所はあるが、修理する道具がないため、そのまま放置している。

25)小学校の体育の授業の様子。広い校庭はあるが、コート、ボール、メジャーなどが無い為、広場に集まり、お遊技や体操、歌などで授業を行う。

26)バンソン・コミューンの分校。近 所の子供達がたくさん集まるが、教材は何もないため、十分な授業をする事が出 来ない。

27)ルクソン・コミューンで利用されている唯一の飲料水用のフィルター。校長先生と職員の部屋に置いてあり、生徒達は未だに井戸水を一度沸かしたものを飲料水として飲 んでいる。

下の写真は一般的なトイレである。穴が空いているが、汚した時は横にある、灰をかけて乾かす。人糞は肥料として利用 する。

 

28)バンソン・コミューンの中心の小学校。学校までの道は険しく、子供達は毎日この道を徒歩で通っている。村によっては学校がない為、仕方なく『10歳以下は通学の為に1H以上歩いてはな らない』という法律を破って、子供達が4H以上通学する場合もある。

学校教材購入提供

29)首都ハノイにある幼稚園・小学校用の教材店。ハノイで購入した教材を6コミューンに届ける。各コミューンで購入した教材リストを各村落開発委員会の方と教師の方々に確認してもらう為、ど の教材をいくつ届けるのか確認が必要である。

30)道路事情が悪い道では4輪駆動車 が必ず必要になる。しかし4輪駆動車だと教材を入れた箱を1台につき8箱しか積めない為、トゥルンソン・コミューンへ行く時は2台必要となった。悪天候な どで教材が破損しない様に堅いアルミの箱に入れて教材を届けた。ルクソンコミューンへの教材デリバリーも4輪駆動車が必要となった。

31)ルクソン・コミューンに到着した時の様子。車から教材の箱を下ろすが、箱が20キロのものから5〜60キロのものまである為、大人の男性2〜3人で箱を運ぶ時もあった。

教材デリバリー

32)トゥルンソン・コミューンへの道はひどく、現在は学校建設と道路建設の為に山が開かれ、雨が降ってしまうと河が反乱し、ハノイに帰れないほどのアクセスの悪さ。土のぬかるみでタイヤがは まってしまう為、ブルドーザーで道を固めてもらい後からついていく。

33)学校への教材を車で運び村の学校に近くなると、何処からともなく人が集まってくる。出来るだけ多くの人に集まってもらい、今回提供する教材などを個人の所有物ではなくコミューン全体で 利用できる様にする為である。

34)船で4時間かけてついたタンザン・コミューンは少数民族のムォング族が出迎えてくれた。ここは6コミューンの中でも一番アクセスが悪い場所である。 ここの子供達は週5日毎朝船で学校まで通っている。

35)アクセスのいい場所にはこういったバンを借り一度に20〜30箱ほどを一度に運ぶ事が出来る。

学校での状況を考慮し、アルミの箱に入れて中の教材を湿気と土ぼこりから保護する。

 

36)タンザン・コミューンでは20名 ほどの生徒達と村の人達が教材の入った箱を山の頂上の学校まで運ぶのを手伝ってくれた。何も説明していないのに、取っ手に棒を差して肩にのせて運ぶ。手 首への負担はだいぶ減り、逆に運びやすい事に気付く。

37)教材の入った箱には『日本外務省』と『ICA』のラベルを貼った。村の人達は英語が読めない為、英語とベトナム語の両方でラベルを作った。少ないコミューンでも10箱、多いコミューンで は23箱の教材を提供した。

38)学校教材提供事前調査で希望していた教材などを運搬した後は、どのコミューンでも必ず村落開発委員会、村 長、教師、父母、生徒を交え教材のリストの確認、使い方などを説明する。ICA 佐藤奈緒美と現地スタッフのハオ氏。教材提供後はアイテム記載リストに県、郡、コミューンレベルの方にサインをして頂く。

39)各コミューンでの事前調査でどの様な教材に焦点を置きたいのか確認したお陰で、コミューンにとってとても役に立つ、需要のあるものをリストアップする事ができた。トゥルンソン・コミュー ンでは幼稚園の教材・小学校では地理や国語に力を入れたいとの事だった。

40)バンソンコミューンの子供達。ぬり絵を真剣にぬっている。始めは、キャラクターの形など関係なくぬっていたが、先生の指導後はすぐに子供達もこつをつかみ線から色が出ない様に色を塗っ ていた。

41)数学関係とスポーツのゴムボール。ポスターはベトナムの地図、世界の地図。しつけのポスターなどが含まれている。教材の内容はコミューンによって 違う。事前調査の時に希望した教材をメインに地球儀やポスターは何処のコミューンも必要だった。

42)現地コーディネーターのハオ氏。 幼稚園用の教材の紹介と使い方の説明をしている。絵本などはわかりやすいが、保健用のクッキングセットやお医者さんセットは使い方がわからない人も多いた め説明が必要になる。

43)ルクソン・コミューンに教材をデリバリーした時の様子。教育に関する活動の確認でベトナムの外部監査の方が2名、同行した。外部監査の件はもちろん、ICAの教育環境整備事業に感心を持って くれた。

学校への道

44)タンザン・コミューンの学校への道。船でこの場まで約4時間、この後約2〜3時間山道を登り続ける。子供達は週5日、山の上の学校まで通っている。スクールバスはないが、スクール船で島の 子供達を順番に迎えに行く。

45)ドゥサン・コミューンの一般的な家。高床式で中には仕切りはない。家族のスペースと台所のスペース、来客のスペースの場所は決まっていて、中心には神棚があり、だいたい父親が神棚の前で 寝る。

その他の活動

46)JSDFの援助で建てられているレンガ作りの学校。すごく立派な作りになっているため、コミューンの人はいつかいつかと待ちきれない様子で何度も学 校の前を通りかかって観察していた。

※JSDF...Japan Social Development Fund

NTT労働組合 環境ワークキャンプ

47)2003年1月に行われたNTT労働組合の方々の「環境ワークキャンプ」はベトナムのドゥサン、トゥルンティエン・コミューンの2コミューンを選択し 4日間ベトナム北部山岳地帯に滞在し植林と有機トイレ建設を行った。植林は合計1750本以上の木の植林に成功。森林の木がほとんどだが、現地の収入向上 のため、ライチ・マンゴー・ロンガンなどの果樹も570本植えた。有機トイレは作業行程に時間がかかる為、第1段階の土台建設を手伝った。レンガをつなぐ セメントには近くの川を流れる水を利用する。現地の人と同じ方法で水を汲みに行った。

ドゥサンコミューンとトゥルンティエン・コミューンでは文化交流の一貫として現地の家族の家に全員でホームステイをした。木造の高床式の家で1泊づつ。

夜の歓迎会では地元の方300以上の村人が広場に集まり、少数民族の舞踊と歌で持て成してくれた。 学校を訪問した際は、ICAとNTT労働組合から文房具や筆記具、日本伝統玩具 (けん玉、竹とんぼ等)が寄付された。

 

48)現地の教師・青年団・生徒達と一緒に学校の周りにケオの木を植林した。 ケオの木は育ちが早く1年で10mほどに育ち5年もすれば大きな木になる。 学校の校長先生の好意で1本の木につき、水やり担当と支え木担当と生徒を2名つけてくれた。支え木には生徒2名の名前が書かれている。

49)2コミューンとも村長を始め、教師・生徒・青年団・女性組合の方々が参加して植林活動を手伝ってくれた。

みんなで囲んでいる小さな苗木は植林活動第1本目のケオの木。この木の担当になったドゥサンB学校の女子生徒も一緒 に写真の中に入ってもらった。

50)目標植林本数1000本だったのが現地の方との協力で倍ほどの植林に成功した。その他、バレーボール大会、学校での運動会や夜の歓迎会など短い間ではあったが現地の方々との文化交流に想 像以上の感動があった。この写真はホームステイでお世話になったMr.ボイの家族と自宅前にて。

 

 

国際事業のホームページに戻る

 ICAとは? | ICAニュース | 国内活動 | 国際事業 | ファシリテーション | まちづくり

支援・寄付
| リンク | 連絡先 | お問い合わせ | ホームページ | English


We are grateful that this site is sponsored by Next Generation Hosting