事業地の概要

プロジェクト対象地であるコチャマルカ地区はリマの北に位置し、標高3400メートルの高い所にあります。 リマから車で6,7時間ほど掛かります。1月から3月の間は雨期なので、緑が生い茂りますが、それ以降は小さな 野菜しか育ちません。また、ここは土壌侵食や無差別な伐採により、環境が悪化しています。

現地の住民は生活用水を小川や湧き水から取っており、家にはトイレもありません。それゆえ、不衛生に よる病気(汚れた手で食する為等)が住民の間で蔓延しています。また、農業の収穫量も非常に低いですが、 これは農薬の乱用や技術不足によるところが大きいです。

これらの現状を改善したいという意志は住民の間で見られますが、これを現実化するためには外部からの刺激 が必要であると考えました。そこで、ICAペルーの持つ豊かな経験と知識を用いて、住民の意識を高め、プロジェ クトを実施するとともに、問題点を克服する能力を身に付けてもらいました。

このプロジェクトの期間は3年間で、第1年目はコチャマルカ村にて事業を実施しました。第2年目はコチャマルカ 村に隣接するコルカパンパ村で、第3年目はサン・フアン村です。この事業は環境保全に重点を置き、現地の人々 の農業技術向上と、周りにある資源を有効利用した農産物の生産量拡大、生活向上を目指しています。総受益者数 は、直接受益者数約150家族、間接受益者数約117家族(1家族は、大体5人)です。



期待する成果として:

1. 森林伐採の減少
2. 環境保全
3. 化学肥料による土壌汚染の改善
4. 有機農業や環境についての意識向上
5. 衛生向上
6. 農産物の生産量拡大による収入向上

があげられます。

プロジェクト活動計画:

1. 10立方メートルのバイオダイジェスターを5基設置し、動物の排泄物や野菜(トウモロコシや豆の茎等)を有機農薬と家庭用ガスに変える
2. 品種改良の果樹(桃:1ヵ村につき最低200本、ルクマ:1ヵ村につき最低100本)を植える
3. 公園や空き地にポンシアナ(約300本)を植え、3ヘクタールの地にユーカリの樹(約1000本)を植える
4. 土壌改善に関するワークショップや、機材を使用するためのトレーニングを開催
5. 育苗のための灌漑施設の建設と、それに伴う揚水風車やポンプ、貯水池(150立方メートル)の設置
6. 電力システムを3ヵ村のヘルスセンターもしくは小学校に設置する。このシステムの内容は、ソーラーパネルもしくは風力発電装置と充電器、ケーブル、ライトである
7. 水供給システムの設置(30立方メートルの貯水タンクとポンプ、水道管)
8. 公共トイレの設置


事業地の風景


コチャマルカへの道は切り立った崖の上を走ります。村へ上るときにはバスの運行時間に 気をつけなければなりません。車がすれ違う道幅が殆ど無いからです。運悪く時刻を無視する バスに行き当たったときには、カーブの少しスペースがあるところまで戻り、やり過ごさなけ ればなりません。当然、ガードレールなど無いので、寿命が縮む思いをします。


サン・ファンの学生たち(左)。学校の創立記念日のマーチの練習をしていたところにお邪 魔しました。右はサン・ファンの中央広場です。スペインの植民地であった影響はこにもあり、 役場など村の重要な施設は広場の周りに置かれています。


サン・ファンではプロテスタントの勢力が強く、カトリック教会はさびれていました。祭壇の 上にぼろぼろの聖書が開けたまま放置されていたのですが、なんとラテン語のものでした。かつ てはミサが行われていたのでしょうが、村人は式次第を理解できなかったことでしょう。


左はパチャマンカと呼ばれる料理を作っているところです。パチャは大地、マンカは鍋を意味 し、文字通り大地を鍋にした料理です。地面のくぼみに子牛肉の塊やかぼちゃ、ポテトなどの野菜 を並べ、上から焼いた石を載せて蒸し焼きにします。村ごとに違うハーブで味付けをします。ご想 像の通り美味しいのですが、一日に数箇所を訪れてそのたびにご馳走してくれることもあります。 胃腸の働きが鈍る高地ゆえ、かなり厳しいものがあります。しかし、貴重な牛肉を振舞ってくれる 村人の善意を無駄にできるわけも無く、当然食べます。


各村には衛星電話が一つ備え付けられており、緊急の場合のライフラインとなっています。この 事業でも雨期で訪問できない間はこの電話で連絡を取ります。右は村のそばにある高台から見たコチ ャマルカの全景です。高度は3400メートル。インカの時代からの集落です。


女性だけ、子供から大人まで常にこのように派手な衣装を身に着けています。男性は大人だけ おしゃれな帽子をかぶります。右の写真は村の守護聖人を祝うお祭りで披露するマーチの練習をす る子供たちです。何故か皆マーチが好きなようです。


左はコルカパンパの典型的な民家です。ものすごく乾燥した地域にとけこんだ風景です。インカ 時代から利用されている灌漑水路なくしては人が住める環境ではありません。最後はクイ(食用モル モット)をご馳走になるペルースタッフです。クイはシエラと呼ばれるアンデス地域で広く食されて おり、ICAも違う地域においてクイの飼育を中心とした事業を行っていました。

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