事業地のあるラゴス州は、面積が2,750平方kmと最小の州であるにも関わらず、人口は1,200万人と最も大きい州です。ラゴス州はまた、ナイジェリア経済の中心地ですので、地方農村地域からの人口流入が大きく、失業者の多い地域でもあります。
ナイジェリアの教育制度は、小学校6年・中学校3年・高等学校3年・大学4年です。小学校は義務教育で、6歳での新入学児童数は300万人以上(就学率72%)ですが、上級学校に進むにつれて学生数は漸減し、大学卒業者はおよそ1万人(6歳児人口との単純比較による大学卒業者の割合;0.24%)となっています。
職業訓練を目的とした公立学校は、高校卒で進学するPOLITECHNICSあるいはMONOTECHNICS(日本の専門学校に相当)がありますが、全国78校から卒業できるのは、年間1万人強に過ぎません。私立の職業訓練学校は、最近出来たコンピューター関係の学校がいくつかあるだけです。このように、ナイジェリアでは就職の為の技術習得の機会が極めて少なく、失業率が高くなっています。特に若年層の失業が際立って多くなっています。
この事業は、現地の民間団体(Organisation for Research of World Peace:
ORWP)が2002年に開校した、若年層を対象とする職業訓練学校の施設を改善し、より多くの人々に技術習得の場を提供することを目的としています。この事業により、更に約100名の増員が可能になります。
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奥にある緑色の校舎は2002年にORWPにより建てられました。
コンピューター教室と職員室があります。
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右奥にある校舎には、服飾デザイン、染織、印刷出版教室があります。 |
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コンピューター教室 |
服飾デザイン教室 |
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染織教室 |
印刷出版教室 |
現在、この職業訓練学校では、一般教養、コンピューター、服飾デザイン、染織、印刷出版技術の授業が行われています。月、水、金曜日は一般教養で、数学や英語、ビジネス・マネージメント、道徳を、午前10時から午後3時まで教えています。火、木曜日は、コンピューターや服飾デザインといった専門科目で、午前10時から午後4時まで教えています。専門科目で一番人気があるのはコンピューターで、94人が学んでいます。現在ある狭い教室の中に全員は入りきりませんので、3つのグループに分けています。ただ、コンピューターが20台しかなく、しかも年代物がほとんどです。また、この地域は停電も頻繁に起こりますので、先生は黒板にパソコンの操作方法を書いて教えています。予定では、今年からビューティセラピー、理容、ホテルマネージメントの授業も行います。
授業は毎年11月に始まり、コンピューターと染織教室に通う生徒は9ヶ月間、服飾デザインと印刷出版教室の生徒は18ヶ月間学びます。試験は3月と7月に行われます。授業料は無料で、支援者の寄付により、運営されています。
職業訓練学校施設の建設
2007年3月ー6月
4月から半年間の雨季が始まるので、その前に基礎工事を完了させるため、2007年2月27日から20日間、設計の打合せに建築専門家の久保田氏を現地に派遣しました。3月1日着工、サイトの整地から始め、4月中に基礎梁配筋(1の写真)を完了しました。4月14日から2週間、建築専門家の福島氏を現地に派遣し、基礎工事の検査と技術指導を行いました。5月1日から基礎梁コンクリート打設し(2参照)、一階床スラブ配筋(3参照)、コンクリート打設を5月17日に完了しました。(4参照)
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1: 基礎配筋完了 |
2:基礎コンクリート打設 |
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3:床スラブ配筋 |
4:一階床コンクリート完了 |
5月27日から2週間、建築専門家の久保田氏を現地に派遣し、一階立上り型枠・配筋の検査と技術指導を行いました。床コンクリート打設に続き、1階柱の配筋、型枠、コンクリート打設、壁ブロックまで完了しました。(5参照)
6月30日に、二階型枠・配筋・コンクリート打設を完了しました。(6、7参照) また、深さ60mの井戸のボーリング、ポンプ設置を完了しました。(8参照)
この年は雨季が5月からと遅く、雨量も少ないようで建設工事には有難いことでした。
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5: 一階柱コンクリート完了 |
6:二階梁配筋 |
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7:二階床コンクリート打設 |
8:井戸ボーリング |
7月ー10月
2階立上り壁ブロック積み、柱配筋・型枠・コンクリート打設をし、柱頂部の繋ぎ梁の型枠・鉄筋・コンクリート打設を行いました(9参照)。 続いて、屋根木造トラスおよび母屋組立てを行いました(10参照)。
屋根アルミ・ルーフィング折板を取付け完了(11参照)。 壁埋込み設備配管および窓・ドア枠を取付け、壁モルタル塗りを1階から開始しました。 内部・外部の仕壁モルタル塗り完了、2階天井ボード貼りを完了しました。(12参照)
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9: 繋ぎ梁コンクリート完了 |
10:屋根トラスおよび母屋 |
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11:ルーフィング工事 |
12:壁モルタル塗り・天井ボード貼り |
11月ー12月
給排水・衛生機器(13、14参照)や、電気・照明機器の取付けを開始し(15参照)、 外部塗装工事を完了しました(16参照)。1月15日をもって、仕上げ工事、設備(電気・給排水・衛生)工事を完了し、「教室棟および給排水工事」の完成検査を2月28日に行うこととしました。
建築専門家の久保田氏を現地に派遣し、完成検査終了を行い、3月の竣工式にこの施設をORWPに引き渡すことにしました。
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13: 衛生機器取付 |
14:浄化槽設置 |
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15:照明器具取付け |
16:外部塗装完了 |
竣工式
3月10日、快晴のもと、竣工式が行われ、集まった人数は約350人を数えました。地元の学校に寄せる期待が大きいことが分かります。
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17:竣工式に植澤大使ご夫妻もご臨席下さりました。 |
18:テープカットの様子。
左からORWP理事長のAkinloye氏、地元有力者のOkoya氏、
駐ナイジェリア大使の植澤氏、ラゴス州知事のFashola氏 |
ワークショップ研修
2007年12月10日と11日に、生徒と学校関係者約60名を集め、学校施設の効果的な利用と、理想とする学校の実現化への取り組みについて、ワークショップが開かれました。両日とも午前10時から午後5時までの長丁場でしたが、参加者は学校の将来について、自分のことのように真剣に意見を交わしていました。このワークショップにより、8つの学校改善目標とそれぞれの目標に取り組む8つの参加者グループができました。各グループの参加者は、各々の目標を達成するために1年間の具体的な活動計画を立て、最後に皆の前で発表し、意気込みを示しました。
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19: ウェイン副理事長がファシリテーター(進行役)となり、ワークショップを進める |
20:参加者一人一人が意見を出し合う |
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21:各自が書いた意見を、参加者自らグループ分けしている |
22:8つのグループのリーダーたち |

8つの目標と参加者グループの長所/短所
この事業の真価は、学校関係者や生徒がいかに施設を活用するか、そして学校の発展の為にいかに取り組んで行くかに掛かっています。今回のワークショップを通じて、生徒にも学校運営に関わる機会が設けられました。生徒たちは学校改善の為に、学校側に色々と提案をしてくるでしょう。学校側もこれからの発展の為に、生徒が指摘する問題点をできる限り聞き入れていかなければならないと思います。ICAは今後も、この学校を見守り続けていきます。
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