独立行政法人 郵便貯金・簡易生命保険管理機構
ボランティア貯金

ベトナム
「住民のための湖沼水環境改善
及び住民の環境意識の向上」事業


ハノイ市バディン区タンコン湖
2008年5月1日〜2009年3月31日

 

 ベトナムの経済は、1986年のベトナム共産党第6回大会で採択されたドイモイ政策の導入、1996年のベトナム共産党第8回大会で採択された「工業化と近代化」政策、そして、2007年のWTO加入などにより、急成長を続けています。この急成長によって都市部は、急激な工業化と人口流入が進み、ハノイ市も人口増加に伴う都市環境の悪化が加速しています。今後、更に経済成長を続けるベトナムのハノイ市では、市街地の下水道等のインフラや分散型の汚水浄化システムが整備されておらず、住宅区から排出される生活雑排水の大半は、未浄化のまま、直接河川・湖沼に放流されています。また、都市へ流入する河川の多くは、既に流域にある工場、畜産場等の未浄化排水によって汚染されており、都市部水環境の更なる悪化を引き起こしています。一方、地域住民は、環境への理解や認識不足により、日常的に生活廃棄物(一般ゴミ)等を河川・湖沼へ投棄するため、都市部水環境、特に湖沼環境悪化の要因にもなっています。
 この事業は、ベトナムの首都“水の都”ハノイ市において、市内で人々の憩いの場となっている「Thanh Cong湖」の水質汚濁・悪臭問題や景観の改善を図ると同時に地域住民の環境意識の向上を目的として実施されました。主な活動内容として、水生植物に水中の養分(汚濁物質)を吸収して湖水を浄化する植栽いかだの設置とコミュニティ・ワークショップを実施しました。

 

事業地であるタンコン湖に隣接する川。この川とタンコン湖は水門で繋がり、川が増水の時はタンコン湖の水門を開け、水を湖に流します。

落ち葉と投げ捨てられたゴミで、川面が埋まっています。
2009年1月23日に水門に括られた試験栽培の植栽かご。汚泥物質をよく吸収するヤナギタデ、ミズキンバイ、コリアンダー、ミントを栽培して、成長具合を見ました。この中から、植栽いかだに使用する植物を決定します。
3月13日の植栽かごの状態。植物が勢いよく生育しているのが分かります。生育した分、湖の汚れを吸収したことになります。
タンコン湖管理会社事務所により建てられた、環境美化運動を促す掲示板。
植栽いかだ工事を告知する張り紙に見入る住民。
3月30日のコミュニティ・ワークショップにおいて、通訳のハオ氏と共にコミュニティー開発についての概念を説明する佐藤理事長。 地元住民や現地NGOスタッフ、公園管理会社のスタッフ、大学教授と生徒、政府役人など24名が出席し、タンコン湖の環境向上についてのビジョン、根本問題、戦略的提案、実施計画について、話し合いました。
トレーニングセミナーの参加者の一人が著名な画家であり、その人により描かれた事業シンボル。 3月31日に完成した植栽いかだ。盗難防止のため、普段は岸から離れた場所に浮かべます。
植栽かごに入れられた水生植物。

植栽いかだ引き渡し式において、バディン区人民委員会副代表のBinh氏を中央に、向かって右側がICAの佐藤理事長、左側が現地カウンターパートTEC代表のAn女史。いかだの引き渡し調書にサインをしている様子。

2009年5月9日現在のいかだの様子。コリアンダーが勢い良く育っているのが分かります。一方、ミズキンバイの育ちは良くなかったので、コリアンダーのみを育てることにしました。 水生植物の株分けを行う現地カウンターパート(TEC)のPhong氏。

 

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